クリニックブログ

航空性中耳炎
2011年8月24日
症状
 圧変動後に生じる激しい耳痛(じつう)、耳の詰まった感じ、難聴(なんちょう)、耳鳴り、頭痛などです。急な圧変動で内耳まで影響が及び、めまいが生じることもあります。
原因
 耳管(じかん)は、鼻の奥にある上咽頭(じょういんとう)の側面から中耳までを連絡する管で、中耳と外界の圧の平衡を司っています。航空機による旅行などの際、アデノイド肥大や、上気道炎などがあると、この耳管機能がうまくはたらきません。このような状態で、中耳の圧調整障害が急速に起きた場合に生じるさまざまな耳の障害を総称して、航空性中耳炎と呼んでいます。
 航空機以外でも、高層ビルのエレベーター、高山でのドライブなど急激な圧変化にさらされた時に、同様の症状が生じることがあります。
検査内容
 診断は、何らかの圧変化の確認と、顕微鏡で鼓膜(こまく)の発赤、血管拡張、陥没、中耳貯留液を認めれば、容易につきます。また、耳管の咽頭開口部に浮腫(ふしゅ)(むくみ)や発赤などの炎症所見を認めることがあります。ティンパノメトリーという検査では、鼓膜の可動性障害を認めます。
治療方法
 繰り返し起こすことが多いので、事前の予防が重要です。飛行機などの圧負荷はできるだけ避けます。どうしても搭乗する必要のある場合は、点鼻薬を使用したり、抗ヒスタミン薬を事前に内服して耳管周囲の浮腫をとり、予防を心がけます。
 とくに、かぜなどで上気道に炎症が存在する時は注意が必要です。アデノイド肥大が原因であれば、手術も考慮します。
あくびや嚥下(えんげ)(飲み込み)することで耳管は開放されるので、圧の急変する離着陸時には、意識的に唾を飲み込んだりして耳管を開放させ、中耳内外の圧差を解消するようにします。このような予防処置をしても発症した場合には、耳鼻科で耳管通気(じかんつうき)や鼻の処置を受けてください。抗ヒスタミン薬、消炎酵素薬、時に鼻咽頭炎(びいんとうえん)に対して抗生剤などが使われます。症状が高度であれば、副腎皮質ステロイド薬も使用することがあります。
 しかし、こうした保存的治療では症状が軽快しない時や、中耳に貯留液を認める時には、鼓膜切開(こまくせっかい)を行ったほうがよい結果が得られます。職業的に航空機などの圧負荷が避けられない場合は、鼓膜にチューブを留置し、航空性中耳炎を予防することもあります。


滲出性中耳炎
2011年8月24日
症状
 症状の主体は難聴(なんちょう)ですが、乳幼児では訴えが少なく、返事が悪くなったり、テレビの音を大きくしているなどの症状から、まわりの大人が気がつくことが多いようです。
 大人では、難聴以外に、耳が詰まる、声が響く、頭が重いなどを訴えます。
原因
 子どもでは、中耳炎が長引いて起こることが大部分です。背景に、耳管(じかん)の機能不全による中耳換気障害が存在します。アデノイド肥大や口蓋裂(こうがいれつ)、粘膜下口蓋裂(ねんまくかこうがいれつ)など、はっきりした原因が認められる割合は多くありません。
 大人では、まれに上咽頭(じょういんとう)がんの初発症状である場合もあるので、片側のみで治療しても効果のない場合は注意を要します。
検査内容
 診断は、顕微鏡で鼓膜を観察すれば容易です。一般に鼓膜は陥没していることが多く、中耳の貯留液が認められます。そのほか、聴力検査、鼓膜の可動性をみるティンパノメトリーなどが行われます。また、耳のX線やCT検査が行われることもあります。
治療方法
 子どもでは、中耳周囲の空間の発達がよい場合は、治療経過もよいので、治療法を選択する際には参考になります。学齢期までには90%以上が治癒するので、保存的治療が基本になります。
 耳管機能に影響する鼻咽腔の炎症を取り除くため、鼻ネブライザー、さらに耳管通気(じかんつうき)が行われます。マクロライド系抗生剤の少量長期投与や、抗アレルギー薬、粘液調整薬、漢方薬なども併用されます。
 軽症の場合では経過観察でもよいのですが、悪化時の適切な対応が重要です。
 4歳を過ぎても保存的治療の効果がない場合、また難聴が30dB(デシベル)以上の場合は発育にも影響するので、積極的に鼓膜切開(こまくせっかい)を行います。鼓膜切開は、乳幼児でも外来で簡単に行うことができ、感染がなければ鼓膜の穴は数日で閉鎖するので心配いりません。
 鼓膜切開を繰り返し行ってもすぐ再発する場合や、鼓膜の陥没が強い場合には、鼓膜を切開し、穴がふさがらないように細いシリコン性チューブを置き、外耳道を経由して換気できるようにします。乳幼児では、体動による損傷を防ぐため、全身麻酔が必要になります。中耳が正常化するまで、チューブの長期の留置が望ましいので、定期的に耳鼻科の診察を受ける必要があります。また、チューブを置いた状態で耳に水が入ると中耳炎を起こす危険があるので、入浴時・水泳時などには耳栓を入れるなどの生活指導が必要です。
 アデノイド肥大により耳管を圧迫している場合や、扁桃肥大(へんとうひだい)があり感染を繰り返している場合では、口蓋扁桃(こうがいへんとう)切除術、アデノイド切除術を行うことがあります。


急性化膿性中耳炎
2011年8月24日
症状
 耳の痛み、発熱などがおこります。乳幼児では、機嫌の悪いことだけが症状であることが多いので、注意が必要です。かぜをひいたときやひいた後に耳の痛みを訴えたり、機嫌が悪いときは、まず、急性化膿性中耳炎を疑いましょう。
治療方法
 耳痛(じつう)が強い場合(乳幼児では機嫌が悪い場合も含めて)は、痛みをとるために鼓膜切開(こまくせっかい)が必要になります。膿(うみ)のまじった耳だれ(膿性(のうせい)の耳漏(じろう))をともなう場合は、抗生物質も使用します。
 急性上気道感染症、副鼻腔炎(ふくびくうえん)、アレルギー性鼻炎(せいびえん)などが先行していれば、その治療も必要です。
 鼓膜が破れて耳だれが出るようになった場合は、耳だれをきれいに吸引します。
 ふつう、約3週間の治療で治ります。


慢性中耳炎
2011年8月24日
症状
 鼓膜にできた穿孔(せんこう)(穴)から細菌が入り、うみが出てきたり、じくじくしたりします。これは耳だれ(耳漏(じろう))と呼ばれています。
 穿孔のため伝音難聴(でんおんなんちょう)が生じます。鼓膜穿孔が小さい時の難聴は軽度ですが、鼓膜穿孔が大きくなり感染が続くと、その影響が内耳(耳のなかの神経)にも及んで感音難聴(かんおんなんちょう)、耳鳴りを引き起こします。こうなると聞こえはかなり悪くなります。
原因
 私たちの耳には、急性(化膿性)中耳炎がひどくなると、鼓膜(こまく)に穴があき、なかにあるうみを出し(自然排膿(しぜんはいのう))、炎症を治そうとするはたらきがあります。
 この時にあいた穴は自然に閉じますが、中耳炎を繰り返したり、治り方が不十分だと、この穴が閉じなくなり慢性(化膿性)中耳炎になります。ですから、急性(化膿性)中耳炎になった時にはしっかりと治療することが大切です。なお一般に、急性中耳炎、慢性中耳炎という場合は、この化膿性中耳炎を指します。
検査内容
 診断は、鼓膜をよく見ることが第一です。できれば手術用顕微鏡や拡大耳鏡を用いて、よく観察します。うみがあるかどうか、穿孔の大きさ、位置、発赤の有無、肥厚、石灰化などを調べることで、現在の慢性中耳炎の程度、今までどのくらいの炎症があったのかを判断できます。
 純音聴力検査(じゅんおんちょうりょくけんさ)で難聴の程度を測り、伝音難聴なのか混合難聴(こんごうなんちょう)(伝音難聴と感音難聴の両方が起きている状態)なのか診断します。穿孔を和紙などでふさいで聴力が改善するかどうかを調べると、耳小骨(じしょうこつ)(中耳にある小さな3つの骨)の音を伝える機能が正常かどうかわかります(中耳機能検査)。
 耳漏の細菌検査を行い、細菌の種類と抗生剤の感受性を判断して適切な抗生剤を使います。急性中耳炎と異なり、黄色ブドウ球菌、緑膿菌(りょくのうきん)などが多く検出されます。
治療方法
(1)保存的治療
 耳漏をとめて、感染をできるかぎり軽くするのが目的です。外耳道・中耳腔の清掃、耳洗(じせん)、耳浴(じよく)(抗生剤を耳に入れて、しばらく横になっている)などを行います。急性増悪の時には抗生剤を内服します。
 なお、点耳液のなかには耳に毒性をもつアミノ配糖体系抗生剤を含む製剤があるので注意が必要です。
 耳漏が一時的にとまってもかぜをひいたり、体調を崩すとまた再発します。また、難聴は手術により鼓膜の穴をふさいで正常鼓膜をつくり、さらに耳小骨の伝音機能を治さなければ改善しません。感染を繰り返している間に難聴は進行し、時にはがんこな耳鳴りに悩まされることもあります。早めに外科的治療を受けることをすすめます。
(2)外科的治療
 通常、手術を行う前には側頭骨ターゲットCTを行います。病変がどこにあるか、耳小骨の変形の有無を知ることができ、手術の必要性、手術方法を判断します。医師に十分説明を聞いてから手術を受けてください。
 手術には、大きく分けて2つの方法があります。先ほど説明した中耳機能検査の結果が良好であれば鼓膜形成術を行います。局所麻酔、短期入院での治療が可能で、耳の後ろの皮膚から組織を採取し、生体糊(ヒト血液製剤)で穿孔をふさぎます。最近はさらに簡便な方法として、コラーゲンスポンジを穿孔にはさみこんで治療する治療法も考案されています。
 中耳機能検査で難聴が改善しない場合、鼓膜穿孔が大きい場合、炎症が高度の場合には鼓室(こしつ)形成術を行います。全身麻酔で伝音連鎖の再建と鼓膜の形成を行います。最近では手術方法が非常に改良されており、耳漏がとまるだけではなく難聴もかなりの率で改善します。外科的な治療には年齢制限はなく、高齢者の手術も増えています。


睡眠時無呼吸症候群
2011年8月24日
症状
 睡眠時の症状として、いびき、無呼吸、寝相が悪いなどがあります。日中の覚醒(かくせい)時には頭痛、眠気、性格の変化などが認められます。
 いびきは、睡眠時に発生する粘膜の振動音で、睡眠時無呼吸症候群を疑う重要な症状です。肥満、アルコール摂取時、睡眠薬などのある種の薬物の服用、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの鼻疾患の存在、咽頭扁桃部の炎症などが原因となりえますので、区別する必要があります。
原因
 睡眠時の無呼吸が主な病態であるため、睡眠中の呼吸動態のモニターが必須となります。
 睡眠中のさまざまな生理学的指標を測定するポリソムノグラフィー(後述)によって検査が行われ、これにより睡眠時無呼吸症候群は、(1)呼吸運動が停止するために無呼吸となる中枢型、(2)呼吸運動は持続しているが、上気道がふさがるために無呼吸となる閉塞(へいそく)型、(3)両者の混合型の3型に分類されます。
 中枢型は呼吸中枢(延髄(えんずい))の障害により起こりますが、極めてまれな病態です。一般に問題になる場合のほとんどは、上気道がふさがる閉塞型です。小児ではアデノイド、成人では肥満が重要な原因です。日本人はあごが小さめであるため、必ずしも肥満者のみに限りません。
検査内容
 いびきが強く、いびきの後に呼吸が止まるようであれば、かなり疑いが濃いといえます。若いころに比べて体重増加が著しい場合にも注意が必要です。
 自己判断の参考として詳細な問診を行い、 ポリソムノグラフィーでは睡眠中の脳波、眼電図、筋電図、口と鼻の気流、胸腹部の呼吸運動、心電図、酸素飽和度などを終夜にわたってモニターします。無呼吸が一晩に30回以上か、1時間あたりの無呼吸の回数が5回以上の場合に診断が確定します。あるいは呼吸運動が低下し、かつ酸素飽和度が低下する時には、無呼吸と同等な病的意義があると考えられます。
治療方法
 肥満に対しては体重の減少を図ることが第一で、多くの場合はこれだけで病態の改善が期待できます。上気道の閉塞の原因がアデノイド、口蓋扁桃肥大(こうがいへんとうひだい)や形態異常など、明らかである場合は、手術が行われます。
 睡眠時無呼吸症候群に対しては、経鼻的持続陽圧(けいびてきじぞくようあつ)呼吸(CPAP)が有効です。これは鼻を覆うようなマスクを装着し持続的に陽圧を加えることで、上気道を強制的に開かせておくものです。 薬物療法により呼吸を促進させることもあります。


溶連菌感染症
2011年8月24日
症状
溶連菌の咽頭炎では、潜伏期はおおよそ2~5日です。
主に2~10歳頃に多く(ピークは5~10歳頃)、成人には少ないといわれています。
また季節的には、12~3月に一番多く、7~9月が一番少ない。
主な症状は次のようなものです。
(これらの症状は、すべて出るわけではありません。特に1~3歳ぐらいでは症状が少ないこともよくあります。)
(1)咽頭炎・扁桃腺炎
 発熱(90%以上)、のどが痛い、のどが赤い、扁桃腺に白いものがつく。(そのために口臭があることも多く、血液の混じった黄色い痰が出ることもある)
(2)口蓋の点状紅斑・点状出血斑
 口の中の口蓋垂(のどちんこ)を、中心に赤い小さな点状の出血斑が認められます。
(3)イチゴ舌
 舌の表面が、イチゴの表面のようになることがあります。(発病2~4日目)
(4)全身発疹
 顔や股のところに、小さい赤い発疹が多数出現します。(発病1~2日目)
 かゆみを伴うことも多いようです。(猩紅熱)
(5)皮膚落屑
 いろいろな症状が消えた後(5~6日目以降)に手や足の指先から
 皮がめくれてきます。
(6)その他の症状
 頭痛・だるさなどの発熱に伴う症状などが認められますが、
 咳・鼻水などの一般的なかぜの症状は、他の感染症に較べると少ない。
 嘔吐を伴うことはありますが、下痢はあまりありません。
原因
溶連菌が患者の咳やくしゃみで飛び散り、それを他の人が吸い込んで感染する「飛沫感染」が一般的な伝染の原因です。潜伏期は2~5日です。一般的には、溶連菌感染症と呼ばれるのは、溶連菌性咽頭炎です。
感染した人の、鼻水や痰には、この溶連菌が排菌されるため、これらの処理が適切に行われなければ、保菌者が原因でどんどん広まることになります。
また、溶連菌は、食品中でも増殖し得るため、まれには、溶連菌に汚染された食品による集団感染も見られます。なお、溶連菌は膿痂疹(とびひ)などの皮膚の病気の原因にもなりますが、この場合も患者との接触で広がります。
検査内容
(1)A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット
 綿棒で、のどの菌を採取し検査します。溶連菌かどうか数分で診断できます。
 ただし溶連菌だけしか判定できません。また検査前に抗生物質を飲んでいると正確には診断できません。
(2)咽頭培養検査
 同じく綿棒でのどの菌を採取し検査します。溶連菌だけでなく他の細菌も診断できます。ただし検査には数日を要します。この検査も、検査前に抗生物質を飲んでいると正確には診断できません。
(3)血液検査
 他の細菌感染と同じように白血球が増えたり、CRP(炎症の数字)が上昇したりします。またASOやASKなどの抗体検査もありますが、抗生物質で治療した場合は、抗体は上がらないことが多いようです。
治療方法
溶連菌感染そのものは、普通の抗生物質を2~3日飲めば、すぐ治まりますが、急性腎炎・リウマチ熱・血管性紫斑病などの合併症を防ぐために、10~14日間、抗生物質を飲むことが勧められています。(どの程度抗生物質を飲めば、どの程度合併症を防ぐことが出来るかは、はっきりしませんが、実際にこれらの病気が最近あまりみられないことから考えて、それなりに有効であると考えられます)また念のために3週間後ぐらいに、検尿や咽頭培養検査をする医院もあります。


習慣性扁桃炎
2011年8月24日
症状
 急性増悪期には、急性扁桃炎と同じ原因、症状です。咽頭痛、嚥下痛(えんげつう)、発熱、全身倦怠感(けんたいかん)、耳への放散痛などが症状としてあげられます。口蓋扁桃(こうがいへんとう)は赤くはれ、白い塊(膿栓(のうせん))が付着します。頸部(けいぶ)(首)のリンパ節が腫大して痛みを伴うことがあります。
 急性期が過ぎると、慢性単純性扁桃炎の状態になり、軽いのどの痛み、乾燥感、微熱があったり、またはほとんど症状のない場合もあります。
原因
 急性扁桃炎を年に3~4回繰り返すようになると、習慣性扁桃炎または反復性扁桃炎と呼びます。小児期に多く、小学校入学前にピークとなります。
検査内容
 急性扁桃炎の場合とほぼ同じですが、細菌の慢性感染があることを示す血液中のASO、ASK測定を追加して行います。
治療方法
 保存的な薬物治療にもかかわらず、扁桃炎を繰り返し、扁桃に膿栓を認め、頸部リンパ節が腫大し、血清ASO、ASK値の上昇を認める場合には、本人または家族と相談して、口蓋扁桃、咽頭扁桃(アデノイド)を摘出します。現在のところ、明確な扁桃摘出術(コラム)のガイドラインはありませんが、藤原らの手術基準は以下のようなものです。
 急性扁桃炎の年間罹患(りかん)回数が4回以上の非扁桃摘出症例の追跡調査から、扁桃摘出インデックス(年間罹患回数×罹患年数)を算出し、8以上を扁桃摘出の適応としています。
 扁桃は免疫器官であるので、むやみに摘出するものではありません。しかし、繰り返す扁桃炎が日常生活の質に影響するようであれば、積極的に扁桃摘出を考慮したほうがよいでしょう。


アデノイド(咽頭扁桃)増殖症
2011年8月24日
症状
 以下のような症状が、主に幼小児期にみられます。
(1)鼻の症状
 鼻腔と咽頭の間が閉塞(へいそく)されることによって、鼻づまり、いびきが大きい、などの症状が現れます。乳児では哺乳がうまくできなくなることもあります。口で呼吸するためにしまりのない顔つきになりますが、これはアデノイド顔貌と呼ばれています。
(2)耳の症状
 難聴になることもあります。中耳と咽頭は耳管という管でつながっているため、アデノイドの肥大で滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)になりやすくなります。
(3)全身症状
 口蓋扁桃やアデノイドの肥大が原因で夜間の呼吸が妨げられ、睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)の原因にもなります。そして、昼間には注意力散漫、行動に落ち着きがない、などの症状も現れます。
原因
 咽頭(いんとう)(のど)には扁桃(へんとう)と呼ばれるリンパ組織の集まったものがあり、外界から細菌やウイルスが体に侵入しようとするのを防御する役割を果たしています。口蓋垂(こうがいすい)(のどちんこ)の横に左右一対ある口蓋扁桃(こうがいへんとう)、鼻腔の奥にある咽頭扁桃(アデノイド)が代表的な扁桃組織です。
 アデノイドは3歳ごろから増大し始め、6歳ごろに最も大きくなりますが、そのあとは次第に萎縮(いしゅく)します。通常はアデノイドの肥大は病的な意味をもたないのですが、時に肥大に伴ってさまざまな症状の現れることがあり、アデノイド増殖症と呼ばれています。
検査方法
 鼻からのファイバースコープ検査などにより、診断は比較的容易です。X線検査も有用です。まれですが、腫瘍(しゅよう)が疑われる場合には組織を一部とって検査をすることもあります。
治療方法
 アデノイドは年齢とともに萎縮するので、先に述べた諸症状が軽度の場合には積極的な治療はしませんが、症状の強い場合にはアデノイド切除術を行います。手術は全身麻酔をかけて口のなかから行うので、外から傷が見えることはありません。


鼻アレルギー
2011年8月24日
原因
アレルギーの原因物質が鼻に入ってきたときに過敏に反応して起こります。鼻アレルギーの抗原は室内塵(ハウスダスト、大部分はダニが原因)と花粉がおもな原因です。その他に動物(ネコ、イヌ、モルモットなど)のフケや毛が重要です。
検査方法
鼻水の成分を調べる検査を行います。
治療方法
まず第一に原因の除去を行います。それが難しい時は内服治療や手術療法を行います。


副鼻腔炎
2011年8月24日
症状
顔の骨の中にある空洞を副鼻腔と言います。左右 4 つずつ計 8 洞あり、健康な状態では空気で満たされ、各洞はそれぞれが鼻の穴に細い窓により通じています。細菌やウイルスが副鼻腔に入り炎症がおこり、洞内に膿がたまり(蓄膿)、窓がふさがることにより症状がでます。
原因
風邪、アレルギーなど様々な原因によりウイルスや細菌が副鼻腔にはいり病気をひきおこします。時に虫歯が原因となり虫歯の細菌が副鼻腔に入り急性の副鼻腔炎をひきおこします。
治療方法
1 )クスリ

約 10 年前から慢性副鼻腔炎に効果のある抗生剤が使用されるようになりました。マクロライド系の抗生剤を長期( 2-3 ヶ月)服用することにより治る場合が多くみられます。このクスリに加え鼻汁を軟らかくして鼻の外に出やすくするクスリを使用します。また、アレルギーがある場合は抗アレルギー剤を併用します。

2)手術

鼻にポリープ(鼻茸)ができ、鼻閉が強いときは手術をお勧めします。最近の手術では鼻の中から内視鏡を用いて、手術します。できるだけポリープを取り除き、副鼻腔と鼻をつなぐ窓を拡大して膿の流れを良くします。手術後は再発防止のために通院しながら鼻の中の膿汁の除去などの処置を積極的におこないます。

なお、急性副鼻腔炎で炎症が目や脳に波及した場合は緊急の手術となります。





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